カンビールノート

毎日むずかしくてむずかしくて本当にたのしい

失敗

わたしは失敗が怖いのでなにもしない、けど言い訳もしない。わたしがなにもしないのは失敗が怖いからです。目の前に現れた問題に必死なフリをしてなにもしない。おとぎばなしのように膨らんだ「こうだったらいいな」と現実の違いにがっかりしてしまう自分が…

絶対に忘れてしまっても

朝起きて働いて友達とタバコ吸いにいってアホみたいな話をして「あーもー帰って寝たい」って言ったのに美味しくないスパゲッティをいつもの喫茶店で食べた後にダラダラ本とか呼んじゃって、感動して信頼できる大人の人と話して盛り上がって、自分の手には追…

なんどでもいつまでも

いつまでもいつまでもしつこくしつこくしつこく王子様がわたしに何かをいう夢を見続けている。終わらない。いつまでもいつまでもくりかえしくりかえしくりかえし、王子様がわたしになにかを言う。いつまでもいつまでもなんどでもなんどでもくりかえしくりか…

とりさらわれたい

毎日はハッピーで切なくてとても面倒なことばかりだから、わたしはいつだってとりさらわれたい。とりさらわれることに憧れている。どうしてもやりたい仕事、なりたい自分、叶わない恋。とりさらわれて毎日を投げ打ってそのことで頭を一杯にして使う言葉を変…

オーガスト生まれの彼に半袖と長袖のシャツはついぞ贈らず自分のことを「ボンヤリしている」と思う。焦っていないことに気づいて焦ったり、なんかお洗濯間に合わなくて立ち尽くしたり、自転車が便利なのを忘れていたり、なんかボンヤリしている。きょうもコ…

週休1日

調子でも波でもバンでもいいからさ とにかくわたしを抱いて乗せてよ「地に足を、さもなくば空を飛ぶ?」なんて問いはboring羽で駆けたいバカだから437ページの扉をカバンにいつも飼ってる「ノンアルじゃ生きていけんってことかしら?」さすが母さんわたしの…

夏を

夏休みも終わりのような天気です、今朝は大きな家の壁に蝉がぶち当たっているのを見かけました。涼しいねと言ったら上司は「夏休みだったらプールに行くか悩む天気」とこたえてくれました。わたしは今日がもし夏休みだったら、迷いつつもプールに行って、ぽ…

ボール

7秒前あなたに話しかけたけど今これ君に伝えてるからいつまでも小慣れぬ吾はわんわんとうるさいわんわん子犬はかわいいわたしには体と心と内臓と 心は内臓だったっけかな真っ暗かもしくは青だらけのとこにボールを投げて生きていきたいセミってさ夜は鳴かな…

いつを生きている

少年の心がなんだふざけるな こちとら幼女だプラ板すんぞわたしたちはもう取り返せない過去を追いかけたり、あのころの夢を生きていたり、いまを生きるのは本当に難しい。なぜならいまだけがないから。ものすごい速度の前に立ちすくむしかないから、いまでは…

宇宙遊泳禁止区域

ポリ袋ひらけば対のカブトムシ「もしも世界にふたりなら」ってやつゴミ処理の熱でホットなプールにて一心不乱にクロールのママおばあちゃん暑いしお墓に水まくね 骨壷で溺れ死んだらダメよ高尾山夏の体験キャンプにて弾けたカエルの内臓の夢猪苗代夏の全国合…

肝硬変

膨らんだ伯父との最後のやりとりはベイスターズの60ゲーム差おばさんのおしゃれな服と真っ白なチャッピーちゃんに火を放つ伯父結婚を許されず母に土下座する兄をみていた17の父子を持たず わたしに初めてマニキュアを与えてくれた横浜の伯母缶ビールあけ放つ…

みなとまち今は遠く

パパからもライン来ないしママからも電話こないしばあちゃんいきてるこの星で一番の美味があると聞き吾ら飛び乗るMM線にやすらかな気持ちになるのは犬たちと未来の天気に文句を言うとき俺なんか見たって明日生きてるかわからないよと成分表は菌たちを殺せな…

カメレオンプリティ

「かわいくて華奢でなくってゴメンね」と 彼を睨むはカメレオンプリティ飴よりも長く甘くて終わらないしかもふたりで舐められる傷ほんとうに言いたいことなど一つもない うそですわたしの名前を呼んで塔までの徒競走すら終えられず 水平線の答えもわからず秘…

朝から顔のことずっと考えてた。人に…実体があるのは…不思議だ…日曜の午前中はすぐに終わる。いつも通りの週末。今週は子どもの名前の話をした。わたしが子どもを育てる前、どんな名前を用意するだろう。きっと明るい名詞の名前をつける、あさひとか、みなと…

べしょ

金麦を2本買って、1本飲みながら帰って、おうちついてご飯食べながらもいっぽん飲んだらもうべしょべしょに爆睡してしまうやつを二夜連続でやってしまった。こういうことをしてしまうことを「人間味がある」と呼ぶ男の子がいたなあと思い出した。元気だろう…

日々の労働

株主ときみの細かいまばたきを同じ心でわたしは愛する「あんなもの絶対入れない」くせっけの上司が憎む納豆のからしばあさんと野菜を家まで届け終え西日を背負って八百屋へ帰る

バチっと目を開けたら布団の中で、カーペットのシミを見ていた急に「至らないのはわたし」というような気持ちになる、二側面のどちらにおいても至らないのはわたしという気持ちに。うだうだいってもそれしかないよね最終的には、というか、この現状でないも…

ひみつ

世界はひとつなので、ひみつまじでむずかしい。わたしもとてもいい顔したりして、だれかもだれかにいい顔したりして、それは世界に優しいが、果たして世界はもうどこにも無くなってしまったりしないのかな裏をかかないと優しくできなかったり、素直になって…

時間は前から来ている

時間は前から来て背中で一本になってる、だから過去は一種類。夏は前から来てる、冬は後ろから来ている。だから夏が来るのは見える。冬はわたしには見えない春はたぶん下から来る。秋は夏に手を引っ張られて来る。秋はきっとほんとうは来たくない。きみは後…

えらべない

関係性は選べない。変わっていくけど、よくもわるくもわたしにはどうしようもないことなのですね。関係性は選べない、わたしがきみをどうやって大事にするかは選べない。ただ嫌なことは嫌だと言ってうれしいことはうれしいと伝える以外に術はない。関係性は…

待っているから絶対に来なさい

与野のおばちゃんから電話があった。おじさんのケータイからだったから「まさか死んだか」と思って出たらなんてことはない、着物をもらって野花に似合いそうだから見に来なさいだって。おばちゃんが結婚したのは遅くって、わたしが3才くらいのとき。急に親戚…

心足らず

短歌の本を読む。市井の人々が生きていけるかどうかは努力とか根性ではどうにもできないところとギュって結んである。とはいえ明日を投げやりに過ごすにはセンシティブすぎるし、真面目くさるにはポーっとしている 7月、日曜日、武蔵境、17:40、みなとまちの…

カンパーイ

「いま」なにかに「選ばれない」場合、あんまり気合い入れる必要はないのかな「いま」「選ばなれい」というのはすぐ後ろの方にぶっ飛んで言ってしまうし、運が良ければ明日が来るっていうのが未来に期待するということだと思うもしかしたら「いつでも」「選…

死なない方がわたしはうれしい

おばあちゃん、94年も生きちゃって友達みんな死んじゃったし。今のことは全然覚えてないし。「友達と今」ってわたしの人生でメッチャ大事なふたつなんだけど、おばあちゃんはどっちも夢の中にしかもうなくても、おばあちゃんは生きてるのすんごい退屈らしい…

誠実

偽りがなく、まじめなこと。真心が感じられるさま。辞書が言っていることがひとつも分からなくってびっくりしているいつわりがなく、まじめで、まごころが感じられるさま?!?!なんで調べたかって誠実でいたいからなんだけど。いつわりがなくまじめでまご…

腹を割ったら別の人生

ともだちチャンのお腹の中にいるのが男の子だってわかった途端にものすごい現実味を帯びた、そのひとが生まれてやっていくってことが。ふだんクチクチうるさいわたしでも性別=役割=社会での立場ってなったとたんにそれが「現実」になるんだから、ホントど…

あのへん

「ほらあのへんだよ、8メートルってあのへん」とか、「あの星、あの3つ並んでるのの右上」とかって指をさした先に見てるものって違う可能性が大いにあるじゃないおんなじ物をおいしいねといっている時、おいしいと感じてる理由は全然違うかもしれないじゃな…

上手にやろうとする

上手にやろうとすると満足できなくって、上手にやらないと誰かが傷つくと思い込んでいるけれどなにしてたって誰か傷つくと思うとなんでも言ってやろうという気になるそもそも上手にってわたしが保持している境目の少ない脳みそで考えるのそうとう無理あるし…

ほんとのこといってよ

なんでほんとのこといってくれないのってすごいよく思うんだけど、ほんとのことがほんとのことだと信じられるかどうかってかんぜんにわたしの問題どっかから急に「この人わたしにほんとのこといってる」って思うんだけど、それがなんでそう思えるのかはまだ…

もう夏だって何回でも言いたい

目をたくさん開けて暑い日の大学通りを歩くと、強い日差しが細かい葉を通してボタボタ目の中に落ちてくる。強引に笑わされてる時みたいな気持ちになる。その下を歩く人たちには強い影と光が繰り返し繰り返し何度も当たって、その人の中を流れてる血とか水と…