カンビールノート

毎日むずかしくてむずかしくて本当にたのしい

えらべない


関係性は選べない。変わっていくけど、よくもわるくもわたしにはどうしようもないことなのですね。関係性は選べない、わたしがきみをどうやって大事にするかは選べない。ただ嫌なことは嫌だと言ってうれしいことはうれしいと伝える以外に術はない。関係性は選べない。

関係性をみていると、きみのことも自分のこともを見失う。関係性はあしたの天気に似ている。雨は嫌だけれど、正直あしたがくるならなんでもいい


待っているから絶対に来なさい


与野のおばちゃんから電話があった。おじさんのケータイからだったから「まさか死んだか」と思って出たらなんてことはない、着物をもらって野花に似合いそうだから見に来なさいだって。


おばちゃんが結婚したのは遅くって、わたしが3才くらいのとき。急に親戚におじさんが登場した!って違和感もいとこたちに比べたらわたしは薄かったのかも。

血の繋がってないおじさんのことが結構好き。うちの親族と違っておしゃべりじゃなくて、声が小さくて、だまーって真っ赤になってお酒飲んでるの。畳屋さんなの。

「最近元気?」ってお正月に聞いたら「はやく死にてえよォ」って言っててメッチャ笑っちゃった。パチンコと競馬で入院費用を賄う夫婦。何十年も黒猫を飼い続けてて、名前はみんなずーっとアオちゃん。いまのアオちゃんは四代目、わたしのことがとってもキライ。



心足らず

短歌の本を読む。市井の人々が生きていけるかどうかは努力とか根性ではどうにもできないところとギュって結んである。とはいえ明日を投げやりに過ごすにはセンシティブすぎるし、真面目くさるにはポーっとしている

 

7月、日曜日、武蔵境、17:40、みなとまちの匂いがする

カンパーイ


「いま」なにかに「選ばれない」場合、あんまり気合い入れる必要はないのかな

「いま」「選ばなれい」というのはすぐ後ろの方にぶっ飛んで言ってしまうし、運が良ければ明日が来るっていうのが未来に期待するということだと思う

もしかしたら「いつでも」「選べない」って気がしてきている

でもただひたすら「いま」「選ばれない」ことが辛い気分になったりもするので、そういうときはビール飲んでカラオケ行くといいよね

後悔したくないって思ったりするけど毎日はとても、とても忙しくて難しいから、わたしは話して話して話して、なにかがなにかに間に合うのを待っている。なにかじゃない、わたしがきみに、もしくはきみがわたしに間に合うのを待っている

間に合ったらビールで乾杯して好きな歌を歌おうね

死なない方がわたしはうれしい


おばあちゃん、94年も生きちゃって友達みんな死んじゃったし。今のことは全然覚えてないし。「友達と今」ってわたしの人生でメッチャ大事なふたつなんだけど、おばあちゃんはどっちも夢の中にしかもうなくても、おばあちゃんは生きてるの


すんごい退屈らしいんだけど。寝てるしずっと。でもわたしが来たらうれしいんだって、わたしのことが好きだから。

わたしもおばあちゃんのことよく知らないけどけっこう好き。おばあちゃんは同じ話しかしない。もういない友達との思い出をなんども教えてくれる。おじいちゃんのことを少しだけ話す。可愛がった長男は先に死んで、次男の嫁がわたしのママ、孫がわたし。それがおばあちゃんの今。


市井のわたしとたったひとつのわたしの毎日。軍需会社で船の図面を引いていたおばあちゃんの青春。


誠実

偽りがなく、まじめなこと。真心が感じられるさま。


辞書が言っていることがひとつも分からなくってびっくりしている

いつわりがなく、まじめで、まごころが感じられるさま?!?!

なんで調べたかって誠実でいたいからなんだけど。いつわりがなくまじめでまごころが感じられるよう振る舞うということだとは…よく意味もわからず誠実になりたがっていたのね


大好きだと言いたいだけだよ

いつわりなくまじめに。まごころはよくわかんない。なんか嘘つくなってことでいいよね?あーそれだね。嘘つくなってこと、上手く立ち回るなってこと。


窓の外暑そうな夏


腹を割ったら別の人生


ともだちチャンのお腹の中にいるのが男の子だってわかった途端にものすごい現実味を帯びた、そのひとが生まれてやっていくってことが。

ふだんクチクチうるさいわたしでも性別=役割=社会での立場ってなったとたんにそれが「現実」になるんだから、ホントどーしよーもないなって。

妊婦ちゃんの水着はカワイイから絶対着てねと言っておいた。「あの子は男の子のお母さんになるのか」という、ホントどーしよーもない感想を持った。そして泣いてしまうほどちょーウレシイ、あの子が男の子のお母さんになるのは。どうしてだろうね。